星読み練習をしたいとずっと思っていました。
自分個人で星読み練習する時は今話題やニュースになっている芸能人のホロスコープを見たりしますが、有名人とは言えご本人の許可なくホロスコープやその解釈をブログに載せるのはまずいかなと思っています。
ですので、歴史上の人物で星読み練習してみることにしました。敬意を持って練習させていただきます。
初回の今回は「音楽の父」とも呼ばれる作曲家 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ。バロック音楽の礎を築いた人です。
バッハの出生時間は諸説あるようなので、ハウス予想も含めてバッハのホロスコープを考察してみます。
プラシーダス法を利用しています。
バッハのイメージ
バッハのホロスコープを読む前に。私がバッハに持っているイメージで、ホロスコープに反映されそうなものは以下の事柄です。
信仰深い
真面目
職場を複数回変えている
仕事を辞める時には次の仕事がきちんと決まっている
ものすごい仕事量(毎週カンタータを作曲していた)
頑固で権力に屈しない
複雑でありながら体系立てられた(平均律クラヴィーア曲集など)後世に辞書のように残る曲を作曲
ドイツ外で活動したことはない(ドイツから出たことがない)
子だくさん(2人の奥さんとの間に20人の子供)
これらを想像して、バッハの生年月日を調べる前に予想していた太陽星座は山羊座でした。頑固さと体系立てられた楽曲などから予想。
また、太陽か冥王星が6ハウス(勤勉さや仕事がすぐに見つかっていたこと)にあったり、火星が蠍座だったり8ハウス(性欲の強さ)にあるのかなと予想していました。
さて実際はどうなのでしょうか。
バッハのネイタルホロスコープ
出典:ASTROTEHEME
バッハは1685年3月31日(旧暦で3月21日)、ドイツのアイゼナハ生まれの牡羊座です。いきなり山羊座の予想が外れました。
個人天体のうち、太陽と火星が火のエレメント、月は風か水、水星と金星が水エレメント。堅実なイメージだったので、個人天体に地のエレメントがないのがとても意外!
働いていた教会の理事会と激しく対立したり、職場環境への不満が溜まってザクセン選帝侯に直接手紙を書いたり、思い立ったらやる!という行動力は太陽牡羊座から来ていたんですね。
火星が射手座でここも火のエレメントだから、行動力がかなりあったのでしょう。
Tスクエアが2つあるホロスコープ。葛藤やストレスが多かった人生だろうけど、バロック音楽芸術を頂点に高めた歴史的人物であり、後世に名を残したという意味では2つのTスクエアをくぐり抜けた人であったと思います。
太陽のアスペクト
太陽は天秤座の木星とオポジション、蟹座の冥王星とスクエアで、冥王星を頂点とするTスクエア。
バッハは楽観的だったり見通しが甘いことはなく、自分に厳しく勤勉なイメージです。上司たちの嫌がらせに遭っても不屈の精神で自分の仕事をやり遂げていく姿は、太陽冥王星のスクエアのパワーなのか。
職場で上司たちとソリが合わなかったり、生徒たちが不真面目だったりして、思い通りに行かず苦労が多い人生だったのは、太陽と土星がインコンジャンクト(150度)だからなのか。マイナーアスペクトだけど影響力強いと言われてますね。
月のアスペクト
月は出生時間によって水瓶座か魚座になります。頑固で人に迎合しないイメージだから、月水瓶座っぽいけど。
月は天秤座の木星とトライン、魚座の海王星と合。伝記のエピソードを読むと、妻を大切にしていたことがわかり、家族には優しい人だったのではないかと思います。
最初の妻は若くして亡くなりましたが、2番目の妻はバッハの仕事や才能を理解し、精神的にも支えになった存在だったようです。月のアスペクトがソフトなのは、妻に恵まれるという暗示でもあったのでしょうか。
水星・金星のアスペクト
魚座の水星と金星が合、射手座の火星とスクエア、乙女座の土星とオポジションで、火星を頂点としたTスクエア。
松村潔先生の「完全マスター西洋占星術」には魚座の金星についてこう書いてあります。
芸術関係に関しては非常に鋭いセンスを発揮します。
また水星金星合に関しても
芸術的・美術的な才能に恵まれることになります。
とあります。この部分がバッハの音楽芸術を示しているのでしょう。
理事会と揉めることが多く心が休まらない日々が続いたのは、水星と火星のスクエアなのか。言いたいことを我慢するタイプではなかったのは、このアスペクトが影響していたのでは。
バッハの音楽は当時は古い音楽と批判されたこともあったようですが、伝統を継承しつつ新しいものを取り入れた作品の創出は、水星金星合にオポジションの土星が効いていそう。
火星のアスペクト
射手座の火星は乙女座の土星とスクエア。
今日ではバッハなしでバロック音楽芸術を考えることができないほどの人ですが、当時はバッハの作曲家としての才能を理解している人は少なかったようです。
教会での音楽教育を制限されたり、給料をもらえなかったりと、仕事に支障が出たのは行動力の火星にブレーキをかける土星のアスペクトが原因なのか。
バッハのホロスコープのハウスを予想
バッハの出生時間は午前5時45分説や午前10時56分説があるようです。同じ年に生まれたヘンデルも5:45説があるらしいので、どちらかが5:45なのかもしれないです。
上記のサイトは5:45説を採用していますが、出生時間不明としているサイトもあるので、実際のところはわかりません。
出生時間がわからない=ハウスが不明、ということでバッハのホロスコープのハウスやアセンダントを予想してみたいと思います。
astro.comを利用して、出生時間を変えたネイタルのホロスコープを3通り作成しました。
冥王星6ハウス案
バッハは真面目な人だと思います。
一時期は毎週教会カンタータを作曲していて、生涯で1000曲以上作曲したというバッハ。しかも毎週カンタータを作曲していた時は教会の教師の役割もしていて、朝4時から生徒たちの面倒を見たりしていた。勤勉じゃないとできないです。
最初に、多くの仕事をこなせる冥王星6ハウスを予想してみました。
そうするとアセンダントが山羊座になる可能性もある。真面目で晩年も地道に作曲を続けたことを考えると、アセンダント山羊座はあり得る気がします。
この場合、太陽は2ハウスになります。所有することを重視するイメージ?バッハは亡くなる時ほぼ楽器しか持っていませんでした。妻はバッハの死後、貧困の中で亡くなったそうです。
そう考えると太陽2ハウスは違うのかも!?土星が7ハウスになって晩婚を暗示するのも違う気がする。(バッハは先妻を亡くし、2回結婚しています)
太陽6ハウス・冥王星9ハウス案
バッハが生きていた頃は、作曲したり演奏することで生計を立てられる時代ではありませんでした。宮廷に仕えたり、教会で指導をしたりオルガンを弾いたりすることでお金をもらって、家族を養い生活していたのです。
バッハは教会でオルガン奏者としてスタートし、宮廷に仕えたり、教会でカントル(キリスト教音楽の指導者)の仕事をしたりと幾度も職場を変えていますが、毎回次の仕事を見つけてから転職していました。次の仕事を見つけるのはあまり苦労がなかったようです。
このことから、割とすぐ働き先が見つかる太陽6ハウスの案も考えてみました。
太陽を6ハウスに持ってくると、冥王星が9ハウスにきます。バッハは信仰深い人で、当時の時代背景もありますが、音楽を通して神に仕えるという意識を持っていました。
傑作の一つと言われる「マタイ受難曲」や「ミサ曲 ロ短調」を含む宗教音楽を数多く残しています。
「マタイ受難曲」はバッハの死後忘れられてしまっていましたが、100年後にメンデルスゾーンが復活上演を行い、世の中で評価されるようになりました。一度死んでから復活するあたり、冥王星を思わせるなと勝手に考えています。
月は4ハウス。「新版Stargazerで体験するパソコン占星学」には4ハウスの月について
人生の初期の家庭環境の変化
先祖や家系に関した事項に強い興味を持つ
と記載がありました。
ルル・ラブア先生の「占星学 新装版」にも
人生の初期に住居の変化や家族の離散を経験することが多く、早くから独立して生活します。その一方では、心深く良心に対する愛着や郷土愛を持ち、家系や先祖に関した事柄に興味を覚えます。(中略)最終的には自分のルーツの近くに留まることによって心の安定を得るでしょう。
とありました。
バッハは10代中盤で両親を亡くしています。その後、長兄の家に引き取られて数年過ごしますが、長兄も裕福ではなかったため早くに家を出て自立しています。
幼い頃に両親を亡くしたバッハ、音楽家が多いバッハ一族の血筋を誇りに思い、一度もドイツから出ず子供たちに継承したバッハらしさが、4ハウスの月に表れるようにも思います。
ただ、この案だと月が魚座になる。自分を曲げない性格や音楽界のため、教会のために尽力したところを鑑みると、月魚座じゃなくて月は水瓶座な気がするから違うかなあ。
ASC太陽合の案
上で添付したサイトは5:45生まれの情報をもとにしたバッハの出生データが登録されており、ASC太陽合のホロスコープが掲載されています。こちらのハウスは最も納得感があります。
アセンダントと太陽が牡羊座で合。自我がしっかりしていて、意見をはっきり言うバッハ像が浮かびます。
MCが山羊座。これもとてもあり得る案。責任を持って仕事に取り組む姿勢や、整理された辞書のような「平均律クラヴィーア曲集」を残したのは、MC山羊座の影響か?
乙女座の土星が6ハウス。勤勉で真面目に仕事に取り組むのは土星6ハウスなのかも。部下からあまり慕われなかった点も、土星が効いている可能性があると思いました。
ルル・ラブア先生の「占星学 新装版」にはこう書いてあります。
部下や使用人の扱いかたが下手なため、雇用関係に困難が問題が起こります。
忍耐づよく長期の事柄に取り組む場合のみ良い結果を得られるとされます。
晩年になっても衰えずに大曲の作曲に挑戦したバッハらしい土星に思えます。
冥王星は4ハウス。人生の早い段階での家族との別れは、4ハウスの冥王星が暗示しているのかもしれません。
火星が8ハウス。これは私がバッハのホロスコープを見る前に予想していたことですが、バッハは何しろ子沢山(前妻と合わせて20人)なので、生殖能力が高そうだと思いました。8ハウスの火星がそれを意味している可能性。
一つ気になるのは、あれだけ信仰深いバッハの9ハウスに何も天体が入らないこと。
当時は信仰がもう少し身近だっただろうし、12ハウスが宗教や信仰を司ってる可能性があります。このホロスコープだと12ハウスに太陽、月、水星、金星、海王星が入って12ハウスがステリウムになります。
バッハのネイタルホロスコープまとめ
音楽の特性からバッハは落ち着いた人のイメージがありましたが、伝記を読むと信念を曲げなかったり、態度の悪い生徒とやりあったりしています。
上司にも臆せず意見したり嫌われるやり方でも押し通すところは、火のエレメントの強さ(太陽と火星)からきているのでしょう。
責任感がとても強く、自分が今しなければいけないことを客観的に見つめる力があったようなので、MCかASCに山羊座がいそうだなと予想します。
次回はバッハのネイタルホロスコープをもとに、人生の転機とトランジットやSAを見てみたいと思います。
参考にした本
バッハの生涯については、以下の伝記を参考にしました。