私が作曲家のホロスコープで星読み練習したいと思うきっかけを作った人のホロスコープです。
古典派時代の作曲家モーツァルトです。
変人伝説がたくさんあるけど、天才と呼ぶのにふさわしい豊かな音楽を数多く残しました。
太陽月蟹座のウェットな私は、ドライで個人主義な水瓶座に憧れがあります。
ふと、モーツァルトって水瓶座ぽいなと思ってホロスコープを見てみたら、水瓶座オーバーロード。天体があるハウスやアスペクトも、モーツァルトそのまんまな感じでかなり納得したのでした。
プラシーダス法を利用しています。
モーツァルトのイメージ
モーツァルトのイメージと言えば、変わった人というのが最初にきます。天才と変人は紙一重なんだなということが、モーツァルトの伝記を読むとよくわかります。
変人
大人気ない
自信家
厳しい父親
お金にだらしない
お金がなくても楽観的
幼少期は演奏旅行ばかり
処世術は持っていなくて、思ったことをすぐ口に出してしまったり、怒りを手紙にぶつけたり。大人気ない行動をしていたようです。
モーツァルトの幼稚な面は、父親に厳しく縛られていた影響もあるのかもしれません。
そして、モーツァルトと言えばこれも。浪費家でいつもお金がなかった。
モーツァルトは貧乏だというイメージが広まっていますが、全く稼いでいなかったということではなく、稼いだ以上に使ってしまっていたというのが実際のところだそうです。
妻のコンスタンツェもお金にルーズで、経済的観念のない2人が一緒になってしまったようですね。
こんな印象からモーツァルト水瓶座が強いのかなと思ってホロスコープを見てみたら、ばっちり水瓶座の人でした。
モーツァルトのネイタルホロスコープ
モーツァルトは1756年1月27日、オーストリアのザルツブルク生まれ。出生時間は午後8時(20時)。
出典:Astrotheme
太陽、水星、金星、土星が水瓶座でオーバーロード。
水瓶座と言えばキテレツな星座。個人天体が3つも水瓶座にあれば、変人になるのも自然なことだよなと。
5ハウスの太陽、水星の合に海王星がオポジション。太陽近くにいる土星。射手座で合の月と冥王星。DSCに合の天王星。2ハウスの木星。
モーツァルトの特性や人生がありありとホロスコープに現れているように思います。
一つ一つ星読み練習を兼ねて見ていきます。
水瓶座オーバーロード
モーツァルトのネイタルホロスコープでは、太陽、水星、金星、土星が水瓶座にあります。
個人天体が3つ水瓶座にあるので、水瓶座の特徴が強くなります。モーツァルトの変人天才ぷりは、この水瓶座オーバーロードからきているのでしょう。
金星は水瓶座の29度で最後の度数なので、水瓶座金星の性質がより強く出て、唯一無二の才能という形で開花したのかもしれません。
5ハウスの太陽とアスペクト
太陽は5ハウスで娯楽が大好き。創造力豊かで芸術家としては抜群の配置です。
太陽は水星と合で海王星とおポジション。
海王星の想像力が太陽と水星にダイレクトに影響を及ぼすので、芸術家としての才能にさらにプラスに働いたと思います。
太陽水星の合は5ハウス。自分の好きなことに夢中になるモーツァルトの姿が浮かぶようです。芸術的な才能とともに、遊びの才能も抜群だったのでしょう。
お酒と夜遊びをやめられなかったモーツァルトは、5ハウスの太陽に対する海王星のオポジションが影響していそうです。太陽海王星がハードアスペクトの人は、ギャンブルやお酒、薬物などは要注意です。
太陽と父親
太陽はオーブ6度で土星ともコンジャンクションしています。
この土星はモーツァルトを幼少期から厳しくしつけ、偉大な音楽家に育てた父親ではないでしょうか。ずっとモーツァルトの太陽を見張り、支えていたんですね。
ルル・ラブア先生の「占星学 新装版」には
父親か年長者に束縛される傾向
と書かれてありました。4歳から天才児モーツァルトを外国の演奏旅行に連れていき、一人前に育てた厳しい父親像と結びつきます。
妻コンスタンツェとの結婚を父親には反対されたけど、反対を押し切って結婚してしまい、父親を失望させました。
父親に対する葛藤はオペラ「ドン・ジョヴァンニ」に描かれていると言います。モーツァルトにとってはいつまでも怖い父親像が胸の内にあったようです。
松村潔先生の「完全マスター西洋占星術」には
土星は父親像を表すので、父親から受けた影響が強いという人も多く見られます。
とありました。ホロスコープからもモーツァルトにとっての父親の大きさが伺えます。
月のアスペクト
月は射手座。モーツァルトの自由奔放さや大人気のなさ、楽観的なところは射手座の月にあるのでしょう。
その月は冥王星と合、DSC合の魚座の天王星とスクエア。出生時間が正しければ、月冥王星合のオーブは0.02度のかなりタイトな合です。
占星術では月は母親や妻など身近な女性を表します。
幼い頃から父親レオポルトと一緒に演奏旅行を繰り返したモーツァルトは、母親と離れて過ごすことが多かったのでしょう。月の母親より土星の父親の影響の方が強かったはずです。
月天王星のスクエアは、子供の頃に母親と一緒にいられなかった寂しさが表れているのかもしれません。
モーツァルトがパリに仕事を求めて遠征した際は母親と2人で向かいましたが、母親は病気にかかって急死してしまいました。
モーツァルトのピアノソナタの中で珍しい短調の「ピアノソナタ第8番」は、母の死への悲しみを表現した作品と言われています。
月冥王星の合は、妻コンスタンツェとの関係が浮かびます。
悪妻と記されることも多いモーツァルトの妻コンスタンツェ。一方でモーツァルトの才能を理解し死後も名誉を保とうとしたという説もあり、実際のところはわかりません。
モーツァルトにとって頭が上がらない妻だったのではないでしょうか。
モーツァルトの月冥王星合はIC近くにあります。約10度離れたところ。
自分の根底、生まれ育った家族への愛着がありつつも、子供の頃はほとんど家にいられなかった寂しさなどが、IC付近の月冥王星合天王星スクエアに表れているのかなとも思いました。
ASCにドラゴンヘッド合
アセンダントに12ハウスのドラゴンヘッドがオーブ1度未満でコンジャンクション。
注目されやすい華やかな人間関係の理由はここにありそうです。
12ハウスは「秘密の部屋」で、ここにドラゴンヘッドがあると宗教的な活動に縁があったりするそうです。秘密結社フリーメイソンに参加していたモーツァルトのエピソードが表れています。
アセンダント、ドラゴンヘッドはどちらも乙女座。作曲家は細かい作業が得意だから、アセンダント乙女座は納得です。
DSCに天王星合
ディセンダントに天王星の合もオーブ1度未満でタイトです。
対人関係に難があって人付き合いが下手だったモーツァルトは、DSC天王星合が要因かも!?人との関係が天王星によって、突然終了していそうです。
変わったパートナーを持つという形で出ている可能性もあります。妻コンスタンツェは、真偽は別として悪妻の音楽家の一人として後世にも語り継がれている人なので、個性的な人ではあったはずです。
2ハウスの木星
お金にルーズで浪費家のモーツァルト像は、2ハウスの木星でしょう。
木星はいい意味でも悪い意味でも広げる天体なので、経済観念を甘やかしてしまったのではないでしょうか。
松村潔先生の「完全マスター西洋占星術」には2ハウスの木星は
ずるずると浪費する傾向がある。お金に関してアバウトなところがある。
と書かれています。モーツァルトのことではないか!
木星期(46歳以降)は財的な成功が期待できたようですが、その前に亡くなってしまった(35歳で死去)なので木星期の恩恵を受けられませんでした。
モーツァルトのネイタルホロスコープまとめ
モーツァルトのネイタルは、伝記を読んで感じるモーツァルト像がこれでもかという程ちりばめられていて、縮図のようになっていました。
浪費家なのも、遊びに夢中になるのも、自制がきかないのも、全部ホロスコープ通り。
おまけに太陽に寄り添う土星。これは間違いなく父親でしょう。
ホロスコープにここまで如実に表れるとは、最初にモーツァルトのネイタルを見た時の興奮と納得感が蘇ります。
次の星読み練習はモーツァルトのネイタルをもとに、人生の転機とトランジットやプログレス、SAを見てみたいと思います。
参考にした本
モーツァルトの伝記は以下の本を参考にしました。